世の中では、持ち家VS借家なんていう論争があります。
まだ、日本では、持ち家信仰が強く全体的には、持ち家派が多いのかなと思います。
持ち家か借家どちらも一長一短がありますので、選択を誤ると生活が破綻します。
とくに、一戸建てを買ってしまった後では、後戻りすることができません…
私が現状把握している中でメリットデメリットを解説したいと思います。
1.借家
借家のメリット
・住む場所を選ばない
・引っ越しが手軽にできる
・状況に合わせて住み替えができる
・住宅設備は、大家持ち
・税金は、大家持ち
・外壁等の修繕も大家持ち
借家のデメリット
・設備がグレードの低いものが多い
・防音等が低い
・気密、断熱性能が低い
・エアコン等は、壊れるまで交換なし(性能が上がっていても20年前とかのものを使わせられる)
・収納が少ない
・LPガスの場合、ガス代が異常に高い
・デザイン等(壁紙等)を好きに変更できない
・家賃を払い続けなければならない
・耐震等級が低い
ざっと羅列いたしましたが、基本的に引っ越しが自由にできるということが借家の一番のメリットです。生活環境が気に入らなければ引っ越せます、小学校、中学校の学区に合わせて引っ越すなどということもできます。また、家賃以外の修繕費や固定資産税なども支払う必要がありません。更新費用などを取られるところもありませんが、必要な費用の計算は比較的楽です。
逆に賃貸のデメリットは、大家が修繕や住宅設備の交換を行うため、備え付けのものは限界まで使われる傾向があります。当たり前ですが、大家は、収益を最大限にするように行動しますので、設備のグレードは、最低限度、エアコン等も古いし性能的にも足りていないということが多々あります。
エアコン等に関しては、大家に相談すれば、自分持ちでいいものを取り付けることも可能なところも多いですが、数年しか住まない場合はどこま出すかは、迷うところです。また、断熱、気密も最低限のため暑くて、寒いものがほとんどです。最新のアパートでやっとハイブリットサッシが標準となってきた状態です。エアコンの性能も悪く、断熱気密も悪いので快適に過ごそうと思うと光熱費が多くかかります。
さらに、都市ガス区域でもLPガスを採用しているアパートが多くあります。これは、大家とLPガス事業者と結託して、給湯設備等をただでつけてもらいその分をLPガス使用量で払うという契約を結ぶからです。LPガス事業は、自由化されているので価格競争が起きて安くなってもいいのですが、借家ですと大家の許可がないと変えられないため、値段も好きに変更可、契約更新もされない等LPガス事業者にとって非常においしいところとなっております。自由化の面が悪い意味で出ておりますので、契約する際はよく注意しましょう。
あとは、子供がいると防音関係が弱いです。アパートの苦情が多いのが騒音だそうです。とくに、下の階の人が上の階の足音が気になるということが多いです。小さい子供がいると、飛んだり跳ねたりするうえに、歩き方が下手なのでどうしても音が響いてしまいます。この苦情は、なかなか親も気を使い大変です…
借家での最大のリスクは、長生きです。寿命は、年々伸びており女性ですと100歳を超えることは珍しくなくなってきております。死ぬまで家賃を払わなければならないので、想定より長生きすると家賃に生活費が圧迫される可能性があります。一生賃貸派の方は、平均寿命より多めの家賃を見積もっておく必要があります。
2.持ち家
持ち家のメリット
・自由度が高い
・住宅ローンを払い終われば、税金以外毎月の支払いがない(マンションの修繕積立金を除く)
・注文住宅であれば、断熱・気密・耐震等級を上げられる
持ち家のデメリット
・住宅ローンに縛られる
・環境の変化に対応しにくい
・修繕計画を家主が行う
・環境が大きく変わっても引っ越すことができない
・固定資産税を払わなければならない
基本的に、借家のデメリットとメリットが逆になってくるかと思います。
特に注意しなくてはならないのは、固定資産税の支払いと修繕計画を家主が行うことです。固定資産是は、年々安くなるとは言え、初期は結構高いです。マンションでは、毎月支払う修繕積立金のほかに、大規模修繕時に追加徴収で100万円単位で必要となることがあるようです。一戸建ての場合は、修繕計画は、完全に家主のため、しっかりと修繕をしていかないと数十年で住めない家となって今います。住宅ローンが終わる前に雨漏り等で住めなくなってしまっては何のために家を買ったのかわからなくなりますので、修繕計画、修繕費の積み立てはしっかりとやっておく必要があります。
建売やローコスト受託では、住宅性能が低いため光熱費が賃貸時より上がることがよくあります。また、隙間風とかもあるため快適さでは、下手をするとアパートの中部屋を下回る可能性があります。結露する家では、特に柱等の構造物が痛みやすいため30年で建て替えとなることも多いです。日本の住宅寿命30年は、ここからきております。ローン終わって、すぐ立て替えてローンでは、儲かるのは銀行と建築業者となり家主は貧乏となってしまいますので、この辺りはしっかりと考えて購入、建築しなければなりません。
とはいえ、持ち家の最大のデメリットは、住宅ローンにより30年~35年程度支出が縛られるということでしょう。住宅ローンは、何かあっても減額することが基本的にできず、払い終わるまで固定費として出ていきます。30歳で35年ローンと組むと、自分が生きていた分より長い年月払うことになります。35年後の世界なんて想像できますか?ローンが終わった時には、世の中大きく変わっていることでしょう。今から35年前というとPCは、一人一台どころか、大きな会社に一台、それもメインフレームという一部屋占領するようなものがあればという時代ですが、今は一人一台のスマフォでかなりのことができる時代となりました。求められる間取りも生活様式が変わることによって、求められる間取りも変わってきます。また、必要とされる土地も変わってきます。35年たつと想像できない世界となっているのに、家は35年前となります。30年程度住宅ローンに縛られて、住宅ローンが終わったころには世の中について時代遅れの間取りとなっている可能性が大いにあります。また、30年たつとまだ住めるのに、住宅を売る際の価値は0となります。0どころか解体費を引くために100~200万引かれます。よく、借家に家賃を払っていても価値が残らないといううたい文句で注文住宅を契約させる方法がありますが、35年ローンを払い終わった家には資産価値としてはほぼ残りません。しっかりメンテナンスした家には、資産価値が残る世の中になるといいのですが…
最後に、現在住宅ローンがかなり低くなってきているため、買い時と思っている方も多いかと思いますが、こちらは間違いです。金利が下がれ借りられる人や金額が大きくなるため住宅価格そのものが上昇しております。金利込みでの総支払額同じです。それどころか、変動金利で借りると金利が上がった場合に総支払が増える可能性があります。金利という一面だけをみて持ち家を購入するのはかなり危険なので注意してください。
3.まとめ
借家に向く人
・引っ越しが多い人
・年収に変更が多い人
・住宅ローンを組むより運用で資産を増やしたい人
・修繕計画が立てられない人
持ち家に向く人
・全館冷暖房で快適に過ごしたい人(注文住宅で施主の勉強が必要となります)
・修繕計画を立てられるひと
・常に出口戦略をがんが得られる人。(住宅をの資産価値を把握できる人)
※これは、家をすぐ売るつもりがなくても絶対に行っておく必要があります。
・将来的にも資産価値の落ちない土地を持っている人
・自分の子供の騒音で悩みたくない人
・固定資産税の支払いをしても家計に余裕のある人
長々と記載しましたが、どちらに決める必要はありません。子供の騒音だけどうにかできるのであれば、退職まで賃貸で、その後小さい家を現金一括で買うという選択肢もあります。生活スタイルがいろいろとありますので、決め打ちする必要はありません。ただし、持ち家にはかなりデメリットがありますので、しっかり管理できないのであれば、借家がお勧めです。
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