2021年版をこちらにアップしました。
高気密高断熱に即した加湿器の記事を見つけられなかったので自分で書いてみました。
あくまでも、高気密高断熱住宅用の話です。
窓サッシがハイブリッドサッシや、樹脂でもスペーサー部分がアルミのような低性能なものを使用している住宅や、気密が取れていない住宅では適用できませんのでご勘弁ください。
HEAT20程度の性能があれば、大丈夫だと個人的には考えております。
.必要加湿量を計算するために以下の手順を踏みます。
1.家の体積を計算する
まず、家の体積を求めます。
建坪が分かれば、そこに3.3と天井までの高さ(天井高)をかければ簡単に求められます。
さらに。小屋裏がある場合は、天井高1.4mとなりますので面積が分かれば計算可能です。
もし平米でわかる場合は、3.3をかけずに天井高をかければ求まります。
我が家の場合は、建坪35坪、天井高2.4m、小屋裏8坪となりますので、
35×3.3×2.4+8×3.3×1.4m=314.16m^3
となります。
2.換気される空気量を求める
ここから一時間あたりに入れ替わる空気の量を計算します。
一般的に換気回数は、0.5回/時となります。(冬の場合換気回数を減らすこともできるようになっておりますが、無視します)
314.16×0.5=157.08m^3
となります。
一時間に157.08m^3の空気が入れ替わるので、ロスがなければ入れ替わる空気に含まれる水蒸気分を補給できれば良いことになります。(全熱換気では一部水蒸気が戻りますので後で説明します。)
3.一時間当たりの必要水蒸気量を計算する。
計算するにあたり相対湿度(%)から絶対湿度(mg)へ変換する必要があります。
絶対湿度への変換は以下のサイトを参考にしております。
相対湿度から絶対湿度への計算方法相対湿度と絶対湿度の関係 四季を通じて、湿度には大変に気をつかっている。健康面ではもちろん、楽器にとっても非常に影響が大きい。気になる湿度についてまとめる。 相対湿度と絶対湿度の関係を簡単に確認して、リンクkomoriss.com
まず、家の中の目標温度と目標湿度を設定します。
室温は、冬でも22~23度程度欲しいといわれています。
今回は少し高めに25度とします。
湿度は、40~60%が理想と言われております。
40%を下回るとウイルスが、60%を上回るとカビやダニが増加します。
今回は、真ん中の50%を目指すとします。
住んでいる地域の1月の平均最低気温と最低湿度を求めます。
気象庁のサイトに過去のデータ等あります。
私の住んでいる地域は、さいたま市となります。平均最低気温は、もう少し高めですが寒い時もあり余すので0度します。相対湿度の最低は、10%とします。
上記のサイトより
tに温度(℃)、RHに相対湿度をパーセント代入する。
217(6.107810^(7.5t/(t+237.3)))/(t+273.15)RH/100
室温25度、相対湿度50%のときの1m^3の水分量(絶対湿度)は
217(6.107810^(7.525/(25+237.3)))/(25+273.15)50/100=11.53mg
室外温度0度、相対湿度10%のときの1m^3の水分量(絶対湿度)は
217(6.107810^(7.50/(0+237.3)))/(0+273.15)10/100=0.49mg
1m^3の空気が一時間で入れ替わる場合
11.53-0.49=11.04mg
の水分を加湿する必要あることがわかります。
ここから換気で入れ替わる空気の体積をかけると一時間あたりに必要な加湿量が計算できます。
157.08×11.04=1734mg/h
水1g=1mlで近似できますので、我が家で必要な加湿器の性能は、1734mg/hとなります。
実際には、ロス等がありますので、一回り大きいのがあるといいということになります。
4.加湿器の選び方
基本的には、気化式一択となります。
ハイブリッドのものは、気化式に固定できるか買う前に確認をした方がよいでしょう。
気化式は出てきた空気が冷たいといわれます。
科学の話となりますが、水が水蒸気になるときに熱を奪うからです。
(冷風扇はこの仕組みを用いて涼しい空気を出します。)
ハイブリッドですと、ヒータで温めた温かい空気を使用します。ただし、高断熱高気密住宅では、エアコン等の高効率なヒートポンプ式を使うのが一般的であるため、同じ熱使用するならばエアコンの方が電気代がかかりません。また、周りの室温もそれなりに高く一定であるため空気の冷たさは気になりません。
よって、気化式一択となります。
・注意点
・3で求めた値は、ぎりぎりの加湿器を買うと常にフルパワーとなりうるさく感じることがありますので、一回り大きいものがお勧めです。その代わり本体が大きくなりますので、置く場所等の兼ね合いとなります。
・ハイブリット式を購入する場合は、気化式に設定した場合の能力を確認してください。
・大きくなるとタンクの持ち運びが大変になります。持って運べるかは、一度確認したほうがいいかと思います。水は1l当たり約1kgになります。(特に子供が持ち運ぶ場合)
・フィルターの入手が容易で安いこと
フィルターは、毎年交換することがよいかと思います。基本的に加湿器は、冬の間24時間つけっぱなしになります。メーカホームページ等の使用条件は、一日当たり8時間使用で検討しておりますので、一シーズンつけっぱなしにすると3年分使用したのと同様になります。また、塩素で結構汚れます。
・手入れがしやすいこと
水が常時入っているため、加湿器内はカビが生えやすく、また空気中のごみを取り込み汚くなっております。手入れが必要ですが、形状が複雑で洗うのが難しい機種が多くあります。
これらを考慮して選ぶとよいと思います。
また、加湿器は毎年新しいものが発売されておりますが、仕組みが簡単なことから機能的には数年前からほとんど変わっておりません。型式が古くても安いものの方がお得だと思います。
5.おすすめな加湿器
個人的におすすめと考えているのは、以下の三点のシリーズ
ダイニチのHD-LX1020
HD-LX1220もありますが、気化式となるecoモードの能力はどちらも同じなのであえて買う必要はないかと思います。
ecoモードでの加湿量は、 600 ml/h
ダイニチ ハイブリッド式加湿器(木造16畳まで/プレハブ洋室27畳まで サンドホワイト)DAINICHI HD-LX1020-W
ダイニチからHD-244
ecoモードでの加湿量は 1700 ml/h
こちらは、今年からトレー交換式に対応したので、昨年度のものはお勧めしません。
ダイニチ ハイブリッド式加湿器 ホワイト HD-244-W
Panasonic FE-KXF15
こちらは気化式のみです。
加湿量は、1500ml/h
パナソニック 加湿機 気化式 ナノイー搭載 ~56畳 ホワイト FE-KXP20-W
Amazon(アマゾン)
51,744〜91,229円
ダイニチは、トレーカバーがついており毎年変えることができます。
加湿器常用してよくわかりましたがトレーはかなり汚れる上に、白系の色ですと塩素で黄色くなります。
我が家では余裕をもってHD-244+HD-LX1020の購入を考えております。(まだ買ってない…)
基本気化式は、大きいです。
間取りを計画するときに加湿器をどこに置くかは考えておく方がよいです。
HD-244やFE-KXF15は、変なところに置くとかなり邪魔です。
また、パナソニックのFE-KXF15は、給気口が背面にあるため壁につけられるないのが難点です。
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